日本計量新報 2011年3月20日 (2862号)2面掲載
関東、東北で計画停電実施 積極的な節電を東北地方太平洋沖地震の影響で、関東、東北の広範囲で電気の供給能力が不足している。 3月14日からは東京電力が被災地を除く地域で計画停電を実施、東北電力も計画停電を発表している。東京電力、東北電力管轄の家庭は、計画停電に備えつつ、それ以外の時間帯でも積極的な節電を徹底したい。 企業は、オフィス内で電力消費の高い機器をチェックすると共に、屋外広告、電飾看板などを可能な限り消灯する。 エアコン、冷蔵庫などの利用を見直す家庭で使用する電化製品では、エアコン、冷蔵庫、照明器具、テレビの4種類で、家庭の消費電力量の約7割を占めている。 ▽エアコン=室温は20度を目安に設定。ドアの開閉は最小限にする。カーテンを閉めると断熱効果が高くなる。 ▽冷蔵庫=設定温度を「強」から「中」にすると、年間61・72kw/時の省エネになる。 冷蔵庫は詰め込みすぎたり、温かいものを入れたりすると余分な電力を消費する。扉の開閉回数を減らし、開ける時間を短くすること。扉を開けなければ、計画停電中の3時間、保冷状態を保つことができる。 ▽冷凍庫=冷蔵庫とは逆に、できるだけ詰め込んだ状態に。隙間がある場合は保冷剤を詰めておく。ペットボトルに7割ほど水を入れて凍らせると保冷剤代わりになる。満タンに入れると水が膨張して破裂するので、注意。 ▽照明器具=白熱電球は、消費電力の少ない電球形の蛍光ランプに交換。夜間はできるだけ家族同じ部屋に集まって過ごすようにする。 ▽テレビ=画面が明るすぎないようにするなどの省エネ機能が付いているものは、設定を確認する。なお、テレビよりラジオの方が消費電力は低くなる。 電力消費のピークタイムを避ける寒さの残る今の時期は、18時から19時前後に最も電力消費が高くなる。このピークタイムをできるだけ避けて電気を使う。洗濯機、炊飯器、電子レンジなどは、意識的にピークを避けて使用したい。炊飯器は、ごはんを4時間以上保温するなら、電子レンジで温め直した方が節約になる。 待機電力を徹底カット不要な電気製品は、主電源をオフにしたり、初めからコンセントを抜いておく。 待機電力の消費が多いのは、以下のような機器。▽給湯器▽石油給湯付き風呂がま▽パソコンネットワーク機器▽デスクトップパソコン▽HDD・DVDレコーダー▽温水洗浄便座▽食器洗い乾燥機▽充電式電動歯ブラシなど パソコン節約術パソコンは、電源をこまめにオン/オフするよりも、1〜2時間であれば節電モードにした方が良い。パソコンの起動は消費電力が大きい上、こまめにオン/オフを繰り返すと故障の原因になる。 忘れがちなのが、モニターの電源オフ。 土日祝日など、長期間使用しない時は、コンセントから抜く。 クオリティソフト(株)は、オフィスの節電対策に役立つよう、PC節電支援ツール一式を、3月14日より無料提供している。モニターの電源オフと、ハードディスクの電源オフ/スタンバイ/休止を設定できるもの。同社のWebサイトからダウンロード(http://www.quality.co.jp/products/QND/QND_QPM.html)。使用期限は4月30日まで。 停電時の注意点停電になる前には、念のため電化製品のコンセントを抜く。コンセントを抜かずに、モーターを使った製品などが停電復旧後に一斉に稼働すると、ヒューズやブレーカーが飛んだり、ほかの製品に影響が出る場合がある。パソコンなどは、ハードディスクをいためてデータ消失など深刻な故障が出る可能性も。 オール電化住宅は、給湯などもできなくなる。集合住宅などで水のくみ上げを電力で行っているところもある。確認の上、必要な量の水を水筒や浴槽などに準備しておく。 携帯電話などは事前に充分充電し、ラジオなど電池で稼働する情報端末を用意する。また夜間や未明の場合は、懐中電灯なども必要。 |