エー・アンド・デイ 長野計器 オーバル 愛知時計電機 杉本商事 理研計器 日東精工 島津製作所
エー・アンド・デイ(決算短信にLINK)
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
@ 計測・計量機器事業
日本においては、前連結会計年度に連結子会社化した株式会社ホロンの扱う半導体機器関連を中心に大きく売上を伸ばした他、温度計類が売上を伸ばしております。また試験機やパワートレインベンチ等が好調で、前年同期比で売上を微増としております。
米州においては、計量機器のうち金属検出機・ウェイトチェッカの売上が伸び悩んだものの、計測・制御・シミュレーションシステム(DSPシステム)で利益率の良い案件を獲得できたため、売上・利益とも改善しました。
アジア・オセアニアにおいては、豪州や韓国において前年同期にあった金属検出機・ウェイトチェッカや試験機の特需が一段落したことから売上、利益ともに減少しております。
これらの結果、計測・計量機器事業の売上高は30,742百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は2,545百万円(前連結会計年度比2.2%増)となりました。
A 医療・健康機器事業
日本においては、家庭用健康機器については前年同期に特需のあった活動量計を中心に、医療機器については全自動血圧計を中心に売上を大きく落としました。
米州においては、米国において大口案件の出荷が継続している他、カナダにおいても血糖計等の販売が好調で売上を大きく伸ばしたことに加え、経費削減の効果もあり利益が改善しました。
欧州においては、ロシアにおける家庭用血圧計を中心に売上・利益ともに伸ばしました。
これらの結果、医療・健康機器事業の売上高は18,455百万円(前連結会計年度比0.0%増)、営業利益は2,129百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。
今後の見通し
今後の見通しにつきまして、新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の感染拡大により、日本のみならず世界経済全体が、リーマンショックを超えると言われる危機に見舞われております。
当社グループにおいても、現在までの間、日本のようにテレワーク等の手段を活用しながらある程度事業活動が継続できている国の他に、事業活動の一部(医療機器である血圧計の販売等)のみが限定的に認められている国、さらにはロックダウンにより外出自体がほとんど制限されていて事業活動が事実上不可能となっている国等、グループの各法人が所在する国や地域における制約が多岐に渡り、かつ感染状況の鎮静化や各国政府等による事業活動に係る制限の緩和の時期や程度についての見通しも困難なことから、2021年3月期の業績予想の開示は差し控えさせていただきます。引き続き状況の確認・整理を行い、一定の見通しがたった段階で業績予想を開示する予定です。
また、2019年5月10日に公表いたしました、2022年3月期を最終年度とする中期経営計画数値に関しては、上記の状況を踏まえて一旦取り下げます。基本方針には大きな変更はないものの、数値目標について再検討を要するため、数値の算定が可能となった状態で新中期経営計画を公表する予定です。
なお、今後も引き続き更なる技術研鑽と新規市場の開拓、新規顧客の獲得に尽力すると共に、試験機やシステム品等の製品の標準化や海外生産の強化によって、一層の原価低減に努めて参ります。また、より効果的な研究開発投資を進めていくと共に、販売費及び一般管理費の効率的な活用に努め、グループを挙げて業績の維持・向上に努めて参ります。
@ 計測・計量機器事業
DSPシステムにおきましては、グループの総合力を生かしてサポート及びサービスの体制を強化するとともに、ユーザーとのコミュニケーションをより緊密にしニーズを把握することに一層注力し、その効率的な製造・販売体制の構築を継続して参ります。
計量器におきましては、高付加価値製品の開発を推進し、グローバルなリソースの集約を行いシェア拡大を目指して参ります。
電子ビーム関連事業におきましては、子会社である株式会社ホロンと当社のシナジー効果により、引き続き半導体市場に対して業績の拡大を目指して参ります。
A 医療・健康機器事業
医療用の計量器や血圧計、家庭向けの健康機器につきましては、グローバルな視点でニーズの把握と対応を進め、健康管理サービスと連携した製品を引き続き提案・拡充して参ります。
健康機器では、品質と生産性の向上を一層図り、世界的な競争力の強化を図って参ります。
長野計器
損益面につきましては、売上高減少の影響により営業利益は23億6百万円(前期比21.4%減)、経
常利益は22億56百万円(前期比21.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億87百万円(前期比16.6% 減)となりました。
なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の拡大が及ぼす業績への影響は、軽微なものと なっております。
各事業の売上高は、次のとおりです。
〔圧力計事業〕 圧力計事業では、米国子会社において2019年4月にグループ会社とした欧州子会社が売上の増加に貢献し
た結果、産業機械業界向、プロセス業界向の売上が増加したものの、国内においては、空調管材業界向の売上
は増加いたしましたが産業機械業界向、プロセス業界向、FA空圧機器業界向、半導体業界向の売上が減少い たしました。
この結果、圧力計事業の売上高は231億71百万円(前期比2.0%減)となりました。
〔圧力センサ事業〕 圧力センサ事業では、米国子会社においては圧力計事業と同様に、2019年4月にグループ会社とした欧州
子会社が売上の増加に貢献し、産業機械業界向の売上が増加いたしました。国内においては、自動車搭載用圧
力センサが2019年末からの短期の需要増の影響により売上が増加したものの、産業機械業界向、空調管材業界
向、半導体業界向の売上が減少し、量産品である建設機械用圧力センサの売上も減少いたしました。
この結果、圧力センサ事業の売上高は145億65百万円(前期比7.7%減)となりました。
〔計測制御機器事業〕 計測制御機器事業では、圧力発生器の売上は増加したものの、工場生産自動化設備用の空気圧機器、自動
車・電子部品関連業界向のエアリークテスター及び医療用機器の売上は減少いたしました。
この結果、計測制御機器事業の売上高は49億2百万円(前期比16.2%減)となりました。
〔ダイカスト事業〕 ダイカスト事業では、自動車業界を主要取引先としているダイカスト製品の売上が減少いたしました。
この結果、ダイカスト事業の売上高は41億9百万円(前期比8.7%減)となりました。
〔その他事業〕 その他事業では、自動車用電装品の売上が増加いたしました。 この結果、その他事業の売上高は23億18百万円(前期比1.4%増)となりました。
今後の見通し
次期における世界経済は、新型コロナウイルスの流行による経済活動の停滞が強く懸念される状況となってお
り、加えて、原油価格の急落により原油関係の設備投資も大幅な鈍化が懸念されております。
これによる当社グ ループへの影響は不透明でありますが、現時点では受注の極端な下落等がみられず、通信・空調及び衛生医療関
係分野の需要においては増加を見込んでいることと、当連結会計年度中にグループ会社とした欧州子会社の売上
貢献を前提として、当社グループの見通しを以下の通りといたします。
圧力計事業においては、産業機械業界向、プロセス業界向、FA空圧業界向、半導体業界向の売上増加を予想 しております。
圧力センサ事業においては、産業機械業界向、プロセス業界向、半導体業界向の売上増加を見込み、量産品に
おいては、自動車搭載用圧力センサは売上減少を見込むものの、建設機械業界向は売上増加を見込みます。
計測制御機器事業においては、自動車・電子部品関連業界向のエアリ−クテスター及び工場生産自動化設備用の空気圧機器の売上増加を見込みます。
ダイカスト事業においては、自動車業界向のダイカスト製品の売上の増加を見込みます。
その他の事業においては、自動車用電装品の売上が堅調に推移すると予想しております。
このような状況のもと、当社グループは、持続的成長を続け、企業価値向上を目指すための取組として、収益
性と投資効率の向上、財務基盤強化の推進により計画達成に向けて邁進してまいります。
次期の連結業績見通しにつきましては、売上高520億円、営業利益25億80百万円、経常利益24億90百万円、親
会社株主に帰属する当期純利益17億60百万円を予想しております。
業績見通しの前提となる為替レートは、1米ドル=105円、1ユーロ=117円としております。
オーバル
当連結会計年度では、上記中期経営計画の拡大戦略に基づき、新規顧客の獲得や既存顧客への提案型の深耕営業に取り組んでまいりました。2020年1月には、コリオリ流量計ALTImass
が機能安全の国際規格「IEC 61508シリーズ(SIL
2)」の認証を取得し、従来の市場に加えて機能安全を要求される市場への参入も可能となり、さらなる拡販に努めてまいりました。
その結果、受注高は、前連結会計年度ほどに大口案件の受注が無かったことにより11,473百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりましたが、売上高はセンサ部門・システム部門が前連結会計年度を上回ったことにより11,886百万円(同1.5%増)となりました。また、売上高増により売上総利益は増加したものの、材料費率の高い大口システム案件が売上計上されたことにより、売上原価率が0.1ポイント悪化しました。一方販売費及び一般管理費率は経費圧縮により0.6ポイント低減しました。
結果として利益面では、営業利益は484百万円(同15.6%増)、経常利益は561百万円(同12.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度ではシンガポール子会社の不動産売却益が計上されたことにより前連結会計年度と比較しますと減じてはおりますが、282百万円(同40.2%減)となりました。
事業部門別の業績は、以下のとおりであります。
(センサ部門)
受注高は、海外貿易摩擦の影響で輸出が落ち込みましたが、ガス関連業界向けに天然ガスや都市ガス計測案件などの大口案件を受注したこと、また、国内化学市場向けが容積流量計・コリオリ流量計を中心に堅調に推移したため、7,377百万円(前連結会計年度比0.7%増)と前連結会計年度並みを維持しました。
売上高も、海外貿易摩擦の影響で輸出が落ち込みましたが、電力・ガス向けの大口案件を出荷したこと、また、新型コロナウイルスによる納期影響も当連結会計年度では僅少だったこともあり、受注高同様に容積流量計・コリオリ流量計を中心に小口案件を堅調に出荷し、その集積の結果、7,394百万円(同1.6%増)となりました。
(システム部門)
海外システム案件をシンガポール子会社OVAL ASIA PACIFIC PTE.
LTD.に集約し、効率的な営業活動に注力しておりますが、受注高は、当連結会計年度では、前連結会計年度のような大口案件の受注が無かったことにより1,673百万円(同33.4%減)となりました。売上高は大口案件の売上計上があり、2,089百万円(同5.0%増)となりました。
(サービス部門)
苫小牧サテライト事務所の開設によるサービス網の強化や保全サポートサービスなど地道できめの細かいメンテナンス活動に注力しておりますが、石油関連業界向けは、業界再編など事業分野を取り巻く市場環境は厳しい状況が継続しており、結果、受注高は2,422百万円(同1.1%減)、売上高は2,401百万円(同1.9%減)と前連結会計年度をわずかに下回る結果となりました。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスの世界的感染拡大やそれに伴う設備投資の延期や中止の影響、企業間競争の激化など引き続き厳しい事業環境が続くと予想されております。
このような経営環境のもと、当企業グループは、中期経営計画「ADVANCE
2.0‐2021」最終年度として、次期は当企業グループ一丸となって最後まで着実に戦略を遂行し、収益の向上と安定的な成長が望める、今現在の厳しい事業環境に対応した企業体質の構築を目指します。
次期の通期連結業績につきましては、売上高11,500百万円、営業利益60百万円、経常利益120百万円、親会社株主に帰属する当期純利益65百万円を見込んでおります。
なお、業績予想は、当企業グループが発表日現在において入手可能な情報により判断したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって変動する可能性があります。
愛知時計電機
このような環境のもと、当社グループは2018年5月に策定いたしました「新中期経営計画2020」の基本戦略に基づき、ガス・水道メーターを中心に「基盤事業分野の競争力向上と収益向上」に注力するとともに、海外、計装、民需センサー・システムなどの「市場拡大、事業領域拡大へのチャレンジ」や、コンプライアンスの徹底、ガバナンスの強化および働き方改革などの「経営力の強化」も推し進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、海外向け製品の需要減はあったものの、国内需要はガス関連機器と計装分野で堅調に推移し、売上高は、前期比3.0%増収の481億1千8百万円となりました。利益面につきましては、増収、コストダウン、原材料安などの増益効果があったものの、販売価格低下や開発投資を中心とした固定費の増加、更に収益性低下に伴い、たな卸資産の評価減等を行ったことから、営業利益は、前期比12.6%減益の29億8千5百万円となりました。経常利益は、為替差益縮小などにより、前期比15.5%減益の32億1千5百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期計上した関係会社株式売却による特別利益分が減少し、前期比16.8%減益の23億5千4百万円となりました。
事業部門別の状況は次のとおりであります。
(計測器関連事業)
売上高は、前期比3.1%増の480億7千4百万円となりました。各分野別の状況は次のとおりであります。
ガス関連機器
LPガス関連機器は、主力の家庭用プロパンガスメーターが需要サイクルのピークを迎え前期並みにとどまりました。都市ガス関連機器は、中国向け輸出が減少したものの、国内需要増により、前期より増加となりました。この結果、売上高は前期比2.7%増の237億7千8百万円となりました。
水道関連機器
当期も海外向けは苦戦が続きましたが、国内市場においては、新設住宅着工数が減少する中、前期に落ち込んだ更新需要が回復し、官需向け・民需向けともに増加となり、売上高は前期比2.9%増の155億4千7百万円となりました。
民需センサー・システム
当社のコア技術を活かした電磁流量計や超音波流量計を中心とした液体・気体の各種センサーとシステムを結びつけ、工場における省エネ・省資源管理や、環境対策に向けて拡販を進めました。国内の民間設備投資減少の影響や海外需要の低迷もあり、売上高は前期比7.2%減の25億5千2百万円にとどまりました。
計装
入札における価格面での競争は依然厳しい状況が続いております。そうした中で、大口物件の確保により受注拡大を図るべく、営業体制の充実、提案力・施工能力の強化などを推し進めてまいりました。これら施策が成果に結びつき、売上高は前期比9.7%増の61億9千5百万円となりました。
(特機関連事業)
特機
売上高は、前期比2千8百万円減の4千4百万円となりました。
杉本商事
しかし、2月以降の新型コロナウィルスの国内海外を問わない感染拡大により、経済環境は一変し、株式金融市場はリーマンショックに比肩する混乱が発生し、製造業、非製造業によらず企業の現状及び先行きの景況観は大きく悪化しました。
このような状況のもと当社グループは、創業100周年(2021年)に向けた第二次中期経営計画『Sincerity to
100』の基本的な考え方である「対面営業、課題解決型の提案営業の充実・拡大を図ると同時に顧客の業務効率化ニーズにも対応できるインフラを整備・活用する。」に基づき、新規出店及び新規顧客獲得、顧客深耕、新規商品投入及び重点取扱商品拡大等の重点施策を着実に推進し、企業価値の一層の向上に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度は、売上高438億90百万円(前年同期比3.4%減)、経常利益29億29百万円(前年同期比11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益18億94百万円(前年同期比15.0%減)となりました。
Aセグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(東部)
東部では、自動車関連製造業が米中貿易摩擦等海外経済動向の不透明さを受け振るわない中、新規得意先の開拓、食品・窯業等営業対象業種の多角化に努めました。設備投資に関しても、更新・省力化等最低限のものに限られており、低調に推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は105億33百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は5億69百万円(前年同期比10.0%減)となりました。
(中部)
中部では、主要な得意先業種である自動車関連及び鉄鋼、工作機械関連製造業の生産量が減少している中、半導体電機電子部品関連産業の一部に明るい兆しが見えつつありましたが、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自動車関連を中心に工場の休止・一部閉鎖の動きもあり低調な結果に終わりました。
設備投資に関しても景気の先行き不透明感を受け、延期・凍結の動きが多く見られました。 この結果、当セグメントの売上高は121億64百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は6億73百万円(前年同期比20.9%減)とりました。
(西部)
西部では、半導体向け等国内製造業の更新設備投資、省力化投資への動きが一部ではあったものの、米中貿易摩擦、消費税率引き上げ等国内外の経済環境の不透明感を背景に、受注、生産量の落ち込みが続いていたところに、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大が加わり総じて低調な結果に終わりました。
この結果、当セグメントの売上高は201億42百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は12億10百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(海外)
海外では、昨年来の米中間の貿易摩擦の影響で主力の東南アジア地域の景況感が鈍化する中で、昨年末に発生した新型コロナウイルスの感染の影響による各国の行動制限により、さらに悪化する厳しい状況が続きましたが、対米ドルの為替相場が比較的安定していたことなどもあり、輸出全体としては対前年同水準で推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は10億50百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は75百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
理研計器
Aセグメントの業績を示すと次のとおりであります。
(東部)
東部では、自動車関連製造業が米中貿易摩擦等海外経済動向の不透明さを受け振るわない中、新規得意先の開拓、食品・窯業等営業対象業種の多角化に努めました。設備投資に関しても、更新・省力化等最低限のものに限られており、低調に推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は105億33百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は5億69百万円(前年同期比10.0%減)となりました。
(中部)
中部では、主要な得意先業種である自動車関連及び鉄鋼、工作機械関連製造業の生産量が減少している中、半導体電機電子部品関連産業の一部に明るい兆しが見えつつありましたが、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自動車関連を中心に工場の休止・一部閉鎖の動きもあり低調な結果に終わりました。設備投資に関しても景気の先行き不透明感を受け、延期・凍結の動きが多く見られました。
この結果、当セグメントの売上高は121億64百万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は6億73百万円(前年同期比20.9%減)とりました。
(西部)
西部では、半導体向け等国内製造業の更新設備投資、省力化投資への動きが一部ではあったものの、米中貿易摩擦、消費税率引き上げ等国内外の経済環境の不透明感を背景に、受注、生産量の落ち込みが続いていたところに、年明け以降の新型コロナウイルスの感染拡大が加わり総じて低調な結果に終わりました。 この結果、当セグメントの売上高は201億42百万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は12億10百万円(前年同期比7.9%減)となりました。
(海外)
海外では、昨年来の米中間の貿易摩擦の影響で主力の東南アジア地域の景況感が鈍化する中で、昨年末に発生した新型コロナウイルスの感染の影響による各国の行動制限により、さらに悪化する厳しい状況が続きましたが、対米ドルの為替相場が比較的安定していたことなどもあり、輸出全体としては対前年同水準で推移いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は10億50百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は75百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
今後の見通し
現在、新型コロナウィルス感染拡大が世界各地で続き、国内外経済に大きく影響を及ぼしており、厳しい状況にあります。当社グループの主な得意先である自動車、鉄鋼、電子・電機関連の業種も、工場の閉鎖・休業等非常に厳しい状況に置かれ、当社取り扱い商品の流通量も減少が見込まれます。新型コロナウィルスの感染拡大がどこまで拡大し、どの時点で収束に向うかは、現状では全く見通せない状態であります。従いまして現時点で業績予想の合理的な算定が困難であることから業績予想値及び配当予想の公表を見送ることといたします。なお、状況が収束し業績及び配当予想の開示が可能となった時点で速やかに公表いたします。
当第1四半期連結累計期間の売上高は81億4千9百万円(前年同期比3.0%減)、営業利益は3億94百万円(前年同期比45.5%減)、経常利益は3億83百万円(前年同期比49.5%減)、親会社株主に帰属する
四半期純利益は2億27百万円(前年同期比55.0%減)となりました。 セグメント別の概況につきましては、次のとおりです。
ファスナー事業は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の大幅な減少や、海外子会社の一時的な操業
の停止などにより厳しい収益環境となる一方、国内においては、政府の自粛要請を背景にゲーム機の需要が増加 し、精密ねじが好調に推移しました。
このような状況のもと、今後の需要拡大を見据えて、異なる金属同士を強固に密着させる「AKROSE(アク
ローズ)」の生産体制の拡充を図りました。併せて、昨年市場に投入した自動車の軽量化ならびに製造コストの削
減に貢献するセルフタッピンねじ「カラーレスタイト」の需要の開拓に取り組みました。
この結果、売上高は60億9千5百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は6千3百万円(前年同期比51.3%減) となりました。
産機事業は、CASEに関わる自動車関連業界の一部に継続した設備投資の計画があるものの、新型
コロナウイルスの感染拡大懸念により、計画が凍結・延期されるなど、事業環境は、標準機・自動組立ライン共に 厳しい状況となりました。
このような状況のもと、自動車関連業界を中心に評価が高い高機能型ドライバの需要の拡大に努めました。併せ
て、生産工程の見直しと部品の適正在庫の評価を行い、主力のNXドライバにおいて納期の短縮を図りました。
この結果、売上高は16億2千1百万円(前年同期比20.7%減)、営業利益は3億5千6百万円(前年同期比 34.8%減)となりました。
制御事業は、流量計は、米中間の通商問題の影響を受け需要が減少している中、新型コロナウイルス
の感染拡大による世界的な経済活動の縮小により減速傾向が強まりました。また、人手不足を背景に好調であった
システム製品や東京オリンピック・パラリンピック関連の需要で回復傾向にあった地盤調査機「ジオカルテ」も、
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、総じて厳しい事業環境となりました。
このような状況のもと、危険な場所で安全な定量計測を可能にする、定量バッチ制御装置「防爆バッチカウンタ PX2」を開発し、需要の喚起に努めました。
この結果、売上高は4億3千2百万円(前年同期比21.0%減)、営業損失は2千4百万円(前年同期は営業利益 4千8百万円)となりました。
島津製作所
当期の業績につきましては、第3四半期までは中国での景気の減速があったものの、日本での底堅い需要などにより堅調に推移しましたが、米中貿易摩擦をはじめとする世界経済の不透明感の高まりによる需要の減退に加えて、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響も受け、売上高は3,854億4干3百万円(前期比1.5%減)となり、営業利益は418億4干5百万円(同5.9%減)、経常利益は426億6干9百万円(同6.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は317億6干6百万円(同2.3%減)となりました。
計測機器事業
当事業の上期売上高は、米中貿易摩擦の影響や中国での環境分析機器の需要がピークアウトするなど事業環境が悪化する中でも、新製品投入によるラインナップ拡充の効果などにより、医薬E
官公庁向けに液体クロマトグラフ、食品安全・官公庁向けなどに質量分析システム、また、鉄鋼E
輸送機向けに試験機が好調に推移しました。しかしながら、下期には消費増税の反動や輸送機業界での景気減退、これに加えて第4四半期からは新型コロナウイルス感染拡大により設備投資抑制や案件先送りが見られ、世界的に大きく影響を受けました。
将来の成長に向けては、顧客の自動化・効率化を支援する機能を強化した製品の開発E
販売を進めました。加えて、先端的な大学・研究機関との協業を推進するため、大阪大学に代謝物の網羅的解析を応用した製品E
事業の創造を目指した「大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所」、農研機構とは食の機能性成分解析を目的とした「食品機能性解析共同研究ラボ」を開設しました。中国においては、需要が拡大する環境モニタリングや受託分析分野へのソリューション提供を目指して、中国イノベーションセンタ一、広州|分析センターを開設し、オープンイノベーション機能の充実を図りました。
この結果、当事業の売上高は2,362億1干8百万円(前期比2.1%減)、営業利益は売上の減少などにより、357億5干2百万円(同7.8%減)となりました。
医用機器事業
当事業の売上高は、海外が減収となりましたが、日本でのX線診断装置の伸長やアフターマーケット事業の拡大により、全体として増加しました。血管撮影システムは、低侵襲治療分野におけるブランド構築に努め、心血管治療向けに好調に推移しました。
引き続き、アフターマーケット事業の拡大や、ターゲット市場である米国市場に特化したX線TVシステムの新製品や血管撮影システムの拡賑に注力していきます。
この結果、当事業の売上高は701億7千8百万円(前期比1.6%増)、営業利益は売上の増加などにより、31億9千万円(同37.1%増)となりました。
航空機器事業
当事業の売上高は、北米では、民間航空機向け搭載機器などの売上が増加しました。日本では、防衛省向け航空機搭載機器が増加しました。
また、将来の成長に向けて、新規事業である試験検査システムと海洋機器で新製品を発売しました。
この結果、当事業の売上高は300億3干9百万円(前期比9.9%増)、営業利益は売上の増加などにより、7億9干1百万円(同562.5弛増)となりました。
産業機器事業
当事業の売上高は、半導体設備投資回復を捉えたターボ分子ポンプの需要増加やセラミックス用途向け工業炉の伸長により、下期は増収となりましたが、上期のターボ分子ポンプとガラスワインダの減少、および、中国市況悪化ならび新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた油圧機器の減少を補い切れず、年間では減収となりました。
引き続き、ターボ分子ポンプの製品ラインナップ強化によるシェア向上、セラミックス用途向け工業炉の海外事業拡大、ならび、油圧機器事業のグローパルな展開に加え、新規事業の強化に取り組みます。
この結果、当事業の売上高は430億3干1百万円(前期比5.3%減)、営業利益は売上の減少などにより、36億5干9百万円(同18目1%減)となりました。
その他の事業
当事業の売上高は59億7干4百万円(前期比25.0%減)、営業利益は11億9干9百万円(同12.8%減)となりました。
【次期の見通し】
1 )経営環境および中期的な成長戦略
2020年は、新型コロナウイルス感染の拡大により、世界各地でビジネスへの影響が出ています。4月には、中国の経済活動に再開の兆しが見え始めましたが、欧・米・東南アジアの都市封鎖は継続し、また、今後南米やアフリカへも影響が出ると予想されています。その結果、世界経済の成長率はマイナス3%と予想されており、2008年に始まったリーマンショックを超える経済危機が訪れると見られています。一方で、2021年以降は、各国の経済支援策と相まって経済はプラス成長に転じることが期侍されています。
当社においても、短期的には大変厳しい事業環境に直面することを想定した対処を進めます。リーマンショックの際には、売上高が大きく減少しましたが、今回はそれ以上の影響を受けることを想定した上で、利益を確保するために設備投資の見直し、研究開発テーマの優先順位付け、製造コストや管理可能経費の削減などにより、生産性向上と経営の健全性維持を図ります。
中長期的には、2017年より開始した『世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業』への挑戦を継続発展させ、2020年から始まる新中期経営計画ではヘルスケア問題や環境問題をはじめとする『社会課題解決のための仕組み作り』を進め、持続的な事業成長を目指します。
2) 2020-2022中期経営計画期間の取り組み
新たな中期経首計画は、新型コロナウイルスの感染拡大という厳しい経営環境からのスタートとなりました。現在、新型コロナウイルスの感染有無を短時間で検査できるPCR検査試薬キットを開発販売し、緊急で大幅な増産体制を敷いて取り組んでいます。また、肺炎診断に使用される移動型のX線撮影システムの増産にも取り組んでいます。島津グループ一丸となって、この新型コロナウイルスの感染拡大防止に寄与する活動に最優先で取り組むとともに、このような事態に対する危機管理を適切に遂行し、経営の健全性維持を図りつつ、事業成長の実現に取り組んでまいります。
その際に、事業成長を支えるのは、当社の強みで、ある液体クロマトグラフや質量分析システムといった重点製品です。
これらを世界で販売強化するとともに、リカーリング事業を拡大させることで、持続的な事業成長の基盤強化に努めます。具体的には、以下の4つの成長戦略と成長基盤の強化を通じて、戦略パートナー・事業パートナーと共に当社の製品やサービスが社会課題解決に役立つ仕組みを構築することを目指します。
3)4つの成長戦略と成長基盤の強化
@重点事業の強化,
計測機器事業の液体クロマトグラフと質量分析システムを中心に、全社のリソースを活用し、製品ラインナップの拡充と欧米でのシェア向上を目指します。そのために、世界各地のイノベーションセンターを強化調活用し、顧客,市場ニーズへの対応を速め、データ活用やロボッ卜による自動化を組み合わせたソリューション創出を推進します。
A海外事業の強化;
海外での事業成長を実現するために、重要拠点の機能を強化し、各地域での強い産業、強い顧客と連携した事業成長を推進します。地域の事業特性を踏まえ事業を拡大・育成E
撤退に峻別し、メリハリのある投資により、海外売上高比率の向上を目指します。
Bリ力一リング事業の拡大;
前中期経営計画において新たに島津グループの一員となった海外各社と連携し、アフターマーケット事業の着実な成長を目指します。また、『社会課題解決のための仕組み作り』は当社の製品岡サービスが繰り返し利用される状況を生み出すビジネスモデルそのものです。データやアプリケーションを活用し、課金方式などの新たな販売形態も取り入れ、業績基盤の構築を図ります。