日本計量新報 2015年1月1日 (3039号)第2部9面掲載
東洋計量史資料館紹介
東洋計量史資料館館長 土田泰秀
同館学芸員 大島幸子 |
1、東洋計量史資料館ご紹介
東洋計器(株)では、2014年11月1日「計量記念日」に、新たに「東洋計量史資料館」をオープンいたしました。当社は、計量史学会創始者のお一人、故岩田重雄博士のご協力を賜り、計量史をテーマとした資料館を2005年より開館・運営しておりましたが、所蔵点数の増加や幅広い方々への公開のため、松本市埋橋の地にて新しい資料館を開設する運びとなりました。今後は計量史研究に携わる研究者の方々から計量史を学ぶ学生、さらには一般の方々まで幅広くご活用いただける資料館として、資料の公開・研究・保存を進めてまいりたいと考えております。
新たな資料館では、約300m2のスペースを、5つの展示室「蚕糸業の間」「度量衡の間」「海外の間」「重量計の間」「大型の間」に区切り、数多くの貴重な計量史に関する資料をテーマ別に展示しております。第1室となります「蚕糸業の間」では、旧神戸生糸検査所で使用されていた大型の検査用機器や貴重な繭の標本などを、また、当館メインの展示室となる第2室「度量衡の間」では、度量衡に関わる様々な資料を「度」「量」「衡」そして「そのほか」のゾーンにわけ、小さな分銅から国内最大の針口天秤まで、大変歴史的価値の高い資料を常時展示しております。さらに、第3室「海外の間」では、日本では目にする機会の少ないアジア、ヨーロッパ等の海外で製造・使用されていた秤をご紹介しております。続く第4・5室の「重量計の間」「大型の間」では、明治から昭和時代にかけて使用されていた台秤や体重計のほか、牛馬掛秤や当社で使用しておりました旋盤といった大型の秤等を中心に展示しております。
2、オープンのようす
新資料館開館初日には、オープン式典および小林健蔵氏によるご講演、そして無料一般公開をおこないました。
式典では、資料館の今後の繁栄を願う神事がしめやかに執りおこなわれた後、当館館長(東洋計器(株)社長土田泰秀)によるあいさつからテープカットに至るまで、計量に造詣の深い関係者の皆様とともにオープンの喜びを分かち合いました。
また、式典に引き続きまして、計量に関する文物のコレクターであり、計量史研究の第一人者でもあります小林健蔵氏のご講演をおこないました。「秤と人との出会い」と題した45分間のご講演では、約200人の聴講者を前に、秤にかけた人生や秤を通して出会った方々との触れ合い、さらには当館館長との出会いから資料寄贈に至るまでの過程を、時折笑いと涙を交えながら情熱的に語っていただきました。
小林健蔵氏のご講演後には、5つの展示室のすべてを無料開放し、訪れたお客様に当地初公開とのなる珍しい秤の数々をご覧いただきました。
3、謝辞
平素より当館の運営にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。生まれ変わりました新しい資料館につきましても、引き続き変わらぬご高配を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。新たな一歩を踏み出しました当館のこれからのあゆみを、今後も温かく見守ってくださいますと幸甚に存じます。
4、東洋計量史資料館ご案内
【ご見学】▽入館料=大人(高校生以上)500円、子供(小・中学生)200円、小学生未満無料▽開館時間=9時〜17時(最終入館16時30分)▽休館日=月曜日、年末年始(お問い合わせください)
【ご予約】当館は予約制でございます。ご予約の際には下記連絡先までご連絡ください。
▽電話=0263-48-1121(東洋計器(株)資料館担当)
▽電子メール=[email protected]
▽URL=http://br.toyo-keiki.co.jp/toyokeiryoushi/index.html
【アクセス】▽松本駅より松本周遊バス・タウンスニーカー=東コース13分「秀峰学校前」下車徒歩約5分、南コース7分「栄町公民館」下車徒歩約3分▽松本ICよりお車で約15分▽駐車場完備(大型バス駐車可能)
(『計量史通信74号』から転載) |