新年明けましておめでとうございます。
2014年の経済を振り返りますと、4月の消費税アップ、円安の進行、株価の上昇など、アベノミクスが順調に進むかと思われましたが、予想以上に国内経済の低迷が続き、結果として12月には衆議院解散、総選挙がおこなわれました。そこに原油価格の下落が発生、世界経済の不透明感が増すなか、1年を終えました。
今年は米国の利上げも控えており、需要と供給のバランスをいかにとっていくのか予断を許しません。一方で自動車業界を中心にいくつものリコール問題が続いています。ビジネスそのものがグローバル化している今日、品質で世界のお客様の信頼を取り戻すことが何よりも大切です。
そういうなか、品質工学会は今年で23年目を迎えました。品質工学を作り上げた故田口玄一氏の理念「一人一人の人間の自由の総和を大きくする」に向かって、機能性とばらつきの評価(SN比)、実験計画、損失関数、MTS(マハラノビス・タグチシステム)など品質工学の活用により、幅広い領域でロバスト性を追求し続けています。
今年も2月に企業交流会、6月に研究発表大会、11月に技術戦略研究発表大会の開催を計画しています。さらに、経営者層のみなさん向けに、経営者懇談会を復活したいと思っています。
これら四本柱と学会誌を軸に、魅力ある学会であり続けられるよう、課題や問題への取り組みを広い視野でおこなうため、近年注力してきました「マクロ視点」のアプローチを強化していきます。そして、そのためにも他学会や研究機間の皆さんとコラボレーションしながら切磋琢磨していく所存です。また昨年5月に制定された品質工学のISO規格、RPD(ロバストパラメータ設計/ISO16336)については日本規格協会と協力して普及に努めてまいります。
日本産業・企業の競争力の原点は品質、品質経営だと信じています。日本計量新報の読者の皆様とも一緒に、将来に向けて活動できることを願っています。
末筆になりますが、読者の皆様のご多幸を心からお祈りいたします。 |