2015年の新春を迎え、謹んでお慶びを申しあげます。
さて、昨年のわが国経済を顧みますと、政府、日銀による経済・金融政策等の効果もあり、企業収益の改善や雇用の回復、設備投資の増加がみられ、一方、円安等にともなう原材料およびエネルギーコストの上昇が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況のなか、新年を迎えております。
計量計測機器の生産もこれらの影響を受けて、機種によりばらつきが見られるものの、全体としては微増となっています。
こうしたなか、昨年末の総選挙では与党が勝利し、現状維持が是認される結果となりました。今後、新政権は日本経済を長期にわたって成長させるべく、各種規制の撤廃・緩和や法人税率の引き下げなど、成長戦略の着実な実行を推進していくものと思われます。私どもとしても計量計測機器のユーザーが何を望んでいるのかを的確に把握し、大学や先進的な研究機関との共同研究・開発を推し進めるなどして、より一層の技術力の向上を図り、そして国際競争力を強化し、先行き不透明な経営環境を乗り越えていく必要があります。
本会の事業活動も、競争の源泉となる新製品・新技術を生む開発力強化に資する事業の推進、国内外の市場において製品の技術的優位を確保するため、国際規格、基準づくりへの積極的な取り組み、さらには、会員企業の国際化を推進するため、グローバルな人材育成および技術やノウハウを持った若手技術者の育成を図るための事業を実施することとしております。また、最近は会員企業のインド、ASEAN等への製造・販売拠点を設ける動きが加速してきております。このため、国際交流事業や経済産業省の委託事業により収集したこれら国・地域の法定計量制度、計量標準機関、認証制度の種類や認証機関、輸出手続き等々に係る情報・資料を、会員企業が必要な時に閲覧できるようデータベースに取りまとめ、海外市場の開拓、進出の支援に資することとします。事業推進に会員各位、関係各位のご協力、ご支援をお願いいたします。
本年は、干支である「乙未(きのとひつじ)」の字義に照らせば、社会の悪い風潮や慣例、足かせを取り払い、前に進むべく努力しなければいけない年、と捉えられるといわれています。事業の選択と集中、企業連携、新製品・新技術開発、海外市場の開拓、コスト削減等々を推進し経営体質のさらなる整備、強化を図り、発展を続けねばと存じます。
末尾ながら、会員各位の事業への積極的な参画のもと関係各位、団体のご理解とご支援を得て計量計測機器産業の発展に努めてまいる所存であります。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。 |